Clubhouseが作る新しい価値とマネタイズの可能性

日本でも1月末に急に加熱し、熱が冷めやらないまま2回目の週末を迎えているClubhouse。多分に漏れず、私もリスナーとして2回目の週末を迎えているわけだけど、少しずつその価値やマネタイズの可能性が感じられるようになってきた。

Clubhouseの2つの価値創出

特定分野のフォロワーというファンの創出

ルームを作り多くのリスナーを集めて話者になっている人は、これまでインフルエンサーと言われていた人と概ね一緒で、例えば、Twitterなどのフォロワー数も多い。その点からして特別な感じもないし、とにかくアウトプットが目立つ人のための新しい場所のようにも見える。

ただ、明らかにこれまでと異なると感じたのは、フォロワーの特性かもしれない。インフルエンサーやイノベーター、アーリーアダプターとされている人の溜まり場のようなルームに参加して雑談を聞いている分にはあまりこれまでのSNSと変わらないと思う。(「あ、この人、こんな話し方だったんだ!」というのは結構あったりもするけれど)

しかし、ある特定の分野(例えば、ある会社の決算についてとか、ある人間の特性についてとか)に特化したルームで、そのルームがかなり面白く人が集まり、その流れでフォローに繋がった場合がこれまでと決定的に違う。

この特定の分野について、リスナーにとって面白く、得ることが多い話をしてくれる人はどんどんフォローを集める。つまり、ただ有名人をフォローするというこれまでの形とは違い、その特定分野を提供してくれる人をフォローする、その特定分野のファンになる、という創出があると思う。これまでより強いファンを生み出す。これがClubhouseの新しい価値の1つ。

人と人で作るビジネスの驚異的速度での創出

もう1つ感じたことは、話者が話者を呼び込み、意気投合したときに発生する次のビジネスのつながりの速さ。これは何も大きなビジネスの話ではない。もっと小さく、そして0から1を生み出すビジネスではなく、1を1.2や1.5にする形なのかな。

例えば、本を出版予定の作家が話しているとする。そこに参加したほかの作家(初対面)が、本の内容で意気投合したとする。すると「帯書きますよ!」とか「次回作、共著したいですね!」となる。さらに同じルームのモデレータに裁量権のある出版社や編集者がいたりするとこれは一気に加速する。

意気投合すればという形はリアルビジネスでも起きることだろうけど、それより圧倒的に早く、かつテキストベースではなく音声という”会話”によってより信頼的な形で繋がる
「***さんと話が合いそうだから、今度紹介するね」となったら暫く先の話になるけれど、Clubhouseではその瞬間にビジネス創出される可能性がある。これがもう1つ感じた、速度という価値

Clubhouseのマネタイズはどうなるのか

Alpha Exploration Co.というのがClubhouseの運営会社で、カリフォルニアのスタートアップ。2020年2月創業だから、そのスピードは恐ろしい。。。

当然まだ収益云々のフェーズじゃないだろうし、アプリ自体課題も感じる。そもそもClubhouse一本でいくのかも分からないが、とはいえGAFAのような巨人が音声SNSに参入する前に手を考える必要はある気がする。

課金のスタートや広告入れに切り替えるタイミングはすごい難しいと思う。

現時点ではまだまだアーリーアダプターが積極的に使っていて、アーリーマジョリティも聴き始めているかもしれないが、ここの層は離れていくスピードも速い。ここの層が、寝る直前に癖のように聴くようになるタイミングがポイントかもしれない。コロナ禍じゃなかったら通勤時間に電車や車で聴くということが出来たはずで、もっと定着が早かったかもしれないから、そこの運はないかな、とは思う。

どうやって課金ができるのだろう?となんとなく考えていたけれど、素人目にはあまり案は思いつかなくて、ラジオ同様スポンサー広告をいれることが王道なのかな、と。

あるルームに参加するときに最初に強制的に10秒広告が入るとか、聴いている途中で10秒広告が入るとか。どちらもYouTubeっぽいけれど、YouTubeと決定的に違うのは途中で入られた場合、Clubhouseはその間も会話は進んでしまうこと。野球観戦に行ってトイレ行っている間にホームランがでる感覚になりそう。だからこの広告をカットするサブスクは欲しくなる気がする。

それとセットで入ってくる広告代が運営会社にとっては重要なのかもしれない。ただ、テレビやラジオと違って、確実に番組が存在し、確実にその時間帯に広告を流せるというわけではないため、ここが成り立つのかな?という気はする。

あとはやっぱり投げ銭かな。投げ銭の数%が運営に入っていく、残りは話者に入っていく、という感じになると話者もやめなくなるし成り立つのかな、と感じる。こちらの方がユーザ離れも発生しない(投げなければ今と変わらないから)というのでも、課金より先に実装されそうな気がする。


というわけで、ぼんやり考えた程度なので全然深くないけど、Clubhouseを2週間使って感じた感想でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました